二宮尊徳の今日的意義
二宮尊徳というと学校にある銅像を思い浮かべる人が多いでしょう。道徳教育のシンボル、特に「勤勉」「節約」「孝行」の実践者というイメージを抱いている人がほとんどだと思います。しかし、農村改革運動の指導者として二宮尊徳を知る人は少ないです。今回二宮尊徳をテーマに選んだのは、日本のこれからの農業を考えていく上で、非常に重要な示唆を私たちに与えてくれるキーマンだと考えるからです。
二宮尊徳の活動はその後「報徳社」に引き継がれて発展をしていきました。そこには今日の農業問題と共通する問題に立ち向かいながら様々な創意工夫で解決していった貴重な実践が残されています。残念ながら今日、この二宮尊徳と報徳社は忘れられています。この忘れられた偉業に再び光を当て、私たちの有機農業運動やエコロジー運動に尊徳や報徳社の意匠を活かして行きたいと考えます。そこで、地域通貨の研究や実践に於いて有名ですが、近世から近代にかけての日本経済を研究されている森野榮一さんを講師にお招きします。尊徳と報徳社の他、近世から近代において、日本における農民による優れた運動も紹介していただきます。
とかく新規な議論ほど好まれる。薬は遠方の産ほどその効能が信じられる。つまり外国の、一見目新しいものが尊重される。農業、環境にして然り。しかし、それらが、たとえば循環型社会といい多品種混植といい、多く東アジアに淵源することには思い及ばない。p2p金融もマイクロクレジットもよろしかろう。しかし、農村金融のあり方として二宮尊徳の無利息金貸付スキームにはとどいていないようにみえる。振り返るべきは私たちの昨日にあるのかもしれない。日本近世の農政家に共通しているのは民富の増進である。その思考は明治期の過酷な農村経済事情のなかでも実践家たちによって活かされてきた。そうした歴史的遺産が気づかれなていないのは残念なことである。今回、二宮尊徳の報徳仕法の実践例として平塚の大沢家仕法を振り返ることから始めて、明治期、大日本報徳社による信用組合設立など農業と農業金融の実践経緯を学んでみたい。
日 時:10月21日(水)
19:00〜21:00(予定)
場 所:なないろばたけ農場出荷場
神奈川県大和市中央林間
参加費:500円
参加申込:先着20名様まで
申込締切:10月18日
>> お申し込み:webinfo@kanagawa-yuki.net
(2009.10.6)